開業資金の50%を占めるといわれる飲食店の内装工事費用。
店舗の広さやコンセプト、業態などの諸条件によってかかる費用は異なり、取得した物件が居抜きなのかスケルトンなのかによっても大きくかわってきます。
今回は、そんな相場観の掴みにくい内装工事費用に関して、居抜き物件とスケルトン物件を比較しながらおおまかな費用相場をみていきたいと思います。
居抜き物件の場合
坪単価:15万~30万
居抜き物件のメリットは、なんと言っても前テナントが残していった内装や設備を利用し、コストカットを図れる点です。
特に、前テナントと同業態である場合や、前テナントに近い営業スタイルである場合、冷蔵庫やキッチン、水道まわり、什器など多くの設備をそのまま活用できるため、入居時に行う大幅な工事は不要となります。
さらに、退去時にもメリットは存在。一般的に退去時にはスケルトン戻しという形で原状回復工事が必要となりますが、解約期間満了前に次のテナントが見つかれば、解体に要する費用をかけずにクリーニング等の最小限に抑えられる可能性が高いです。
ただし、こちらの平均相場はもともとあった設備や内装、厨房機器類を利用するという前提のもとで計算された金額であるため、大幅なレイアウトチェンジを行なったり、故障や経年劣化により機器類を買い替えたりと、変更が大きく生じる場合はその分金額が上振れするので注意が必要です。
スケルトン物件の場合
坪単価:30万~50万
スケルトン物件は、居抜き物件と比較すると、内装工事費用が大幅にかかってしまいます。また、工事完了までの期間が長期化することがほとんどです。
しかし、一から内装を組み立てられる分、明確なコンセプトを持っている、あるいはオリジナリティーのある内装を目指しているオーナーにとっては適しているといえるでしょう。
そのほかにも、メリットは大きく分けて3つ挙げられます。
【1】細部まで理想とする店舗が実現できること。
【2】厨房設備や機材の管理がしやすいこと。
【3】前テナントの負のイメージを引き継ぐことなく営業できること。
居抜き物件またはスケルトン物件、どちらを選択するかは自由ですが、ご自身の予算と照らし合わせて無理のない範囲で計画していきましょう。
また、はじめて開業する場合には、見積書を見ても金額が安いのか高いのか判断できない方が多くいるかと思います。同じ工事内容であっても内装業者によってばらつきがありますので、複数の業者に見積もりを依頼し比較検討することをおすすめします。