店舗デザインがイメージできたら、次はそれを具体化していくことになりますが、その前に、店舗の全体像としてのデザインイメージが、本当に妥当かどうかをチェックする必要があります。これを怠ってしまうと、たとえ店舗単体としてみたときにはイメージ通りの店ができあがったとしても、周辺店舗も含めた立地全体で考えたときに、様々な問題点がでてきてしまうからです。
ここではイメージした店舗デザインを、多角的な視点からとらえ直し、その整合性をチェックする方法をお伝えしたいと思います。
競合を減らすため、自店のポジショニングを考える
飲食店を営業していくときには、どこに店舗があるかという立地が売り上げに大きく影響してきます。周辺にどんな店舗があるか、その全体像をつかみ、その中で新規開業する自分の店舗の役割を考えることは、その場所で成功するために欠かせないことです。そのため、全体の中での自店のポジションをきちんと踏まえた店舗デザインを行いましょう。
自分のお店のポジショニングを把握するために、下図のような縦軸と横軸からなる表をイメージしてください。
例えば開業する店舗がダイニングであれば、縦軸に「落ち着いた雰囲気、にぎやかな雰囲気」のようなカテゴリーを、横軸に「価格帯が高い、安い」のようなカテゴリーを設け、周辺店舗のポジションを段階的に決めていきます。そうすることで、周辺店舗の特徴を踏まえた全体像を可視化することができます。全体像が見えてきたら、その中で自店の役割が明確になり、不要な競合を減らすことができます。
SWOT法で特徴を分析する
目標を達成するための、経営戦略を決める方法としてSWOT法という分析方法があります。SWOTとは、Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)の頭文字をとったもので、この4つの要素を、思いつく限り書き連ねてみることで、より現実的な店舗づくりを形にしていくことができるようになります。文字にすることで考えが整理されますし、資金面、周辺環境、将来性など自分の店舗を様々な角度から客観視できるので、ぜひ試してみてください。
例)
強み:日本にまだ紹介されていないメニューを扱うため競合がいない
弱み:資金が不足しているため理想通りの店が実現できそうにない
機会:メニューのバリエーションを増やし、店舗を拡張していける可能性がある
脅威:新しい商品のため、どこまで支持されるかが不安
店舗デザインは、飲食店開業においてもっとも大きな予算がかかってくる部分でもあり、出来上がってしまえば簡単には変えることもできません。そのため、方向性を決める段階から慎重に進めていく必要があります。上述の分析方法をとりいれながら、よく考えて決めていきましょう。