居抜き物件を決める際、電気・ガス・水道等のインフラは重要なチェックポイント。
中でも、新設・変更に大がかりな工事が必要となるガス容量のチェックは入念に行いましょう。
業態によって異なる飲食店のガス容量
基本的に、建物には一本の供給管からガスが引き込まれています。ガス管は地下を通り各区画のガス機器に通じていますが、その分岐したガスの最大容量が出店する店舗で使用する容量を満たしているかどうかをチェックする必要があります。
飲食店と一つに括っても、カフェやBARのような軽飲食から焼肉・中華といった重飲食など、業態によって調理の幅はさまざま。どのくらい調理が必要かによって熱源の使用量が異なり、それ相応に必要となるガス容量も異なってきます。
業態ごとの号数の目安は、次の表を参考にしてください。
ガスの号数 (容量) |
適正業態 |
4~6号 |
カフェ、BAR、小料理、寿司 |
6~10号 |
居酒屋、洋食・レストラン、和食 |
10~16号 |
ラーメン、焼肉、中華料理 |
ガス工事が必要な場合に見るべきポイント
例えば、ラーメン屋を出店予定だけどお目当ての物件のガス容量が6号だったという場合、その物件を諦めるか、ガス工事をするかの選択に迫られます。ただし、ガス容量を増やす工事はどの物件でもできる訳ではありません。そこで、まず確認しておきたいのがガス配管の太さ(径)です。
ガス容量に対して配管の太さ(径)が足りていれば、ガス会社に工事を依頼し増設してもらうことができるのです。
参考までに、各号数に対する径の大きさ(mm)は次の通りです。
25A = 34㎜ ➡ 6号
32A = 42.7㎜ ➡ 10号
40A = 48.6㎜ ➡ 16号
必要なカロリー数を計算する
都市ガス(13A)の場合、1号=1㎥=11,000kcalなので、10号であれば11,000kcal×10=110,000kcalまで使用可能ということになります。
店舗で使用するガス機器のカロリー数をカタログなどから調べ、全てのガス容量の合計数を計算してみましょう。容量内に収まっていれば問題ありませんが、もしもオーバーしてしまった場合は調整が必要になります。費用が大幅にかかる場合には、一部のガス器具を電気式のもので代替することも考えてみてください。