飲食店を営業する上で、電気・ガス・水道等のインフラは必要不可欠です。今回はその中でも、電気についての基礎知識をご紹介したいと思います。
電気に関する単位はV(ボルト)、A(アンペア)、W(ワット)の3つ。
V(電圧) = 電気を押し出す力
A(電流) = 電気の流れる量
W(電力) = 消費エネルギー量
以上を踏まえて、気になる物件の電気設備をチェックしていきましょう。
ボルト数の違いは何を表している?
電気の供給の仕方には「単相2線式配線」と「単相3線式配線」の2種類があり、建物に取り付けてある電力量計(電力メーター)を見て確認することができます。また、屋内にあるブレーカーの蓋を開けて何本線がでているかを見ても判断できます。2本であれば単相2線式配線、3本であれば単相3線式配線となります。
【単相2線式配線】
100Vのみ使用可能。30Aが上限。
【単相3線式配線】
100Vの設備でありながら200Vも使用可能。容量の大きな電気機器にも対応。
飲食店においては、業務用エアコンや大型冷蔵庫、スチームコンベクションオーブンのように、作動条件として200Vが必要になる電力消費量の高い電気機器が多くあります。その場合、単相2線式では対応できないため気をつけてください。
契約アンペアをチェックする
電流(A) |
対応可能業種 |
30A-家庭用 |
一般家庭 |
40A-家庭用 |
軽飲食~飲食店(BAR、カフェ、寿司など) |
50A-飲食用 |
飲食店(和食・イタリアン・フレンチなど) |
60A-飲食用 |
重飲食にも対応可(ラーメン・中華料理など) |
※飲食店の電力量は、業態よりも店舗面積の広さによって高くなる傾向にあり、上記の対応表はあくまで目安となります。
自分の店舗に最適なプランを選ぶ
自分の店舗で使用する大まかな電力量がみえてきたら、各電力会社が提供しているプランから最適なものを選びましょう。
例えば、東京電力の場合、30A~50Aの容量であれば「従量電灯B」、60A以上の電力が必要な場合は「従量電灯C」、商店や工場などより大きな電力が必要になる場合は「低圧電力」というように、それぞれの料金プランが設定されています。
2016年以降は電気の小売業への参入が全面自由化され、一般家庭や飲食店などの商店を含む全ての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。インフラにかかる料金は月額にすると大した差はありませんが、年単位で考えると大きく変わってくるため、契約前の段階でよく考えて契約することが大切です。賢い選択でランニングコストを削減しましょう!