ファサードの語源はフランス語で、店舗や建物を正面から見たときの外観のことを指し、建築デザインの面で最も重要な要素のひとつです。街路や広場などに直接面する部分で集客に大きく影響するので、内装に手を加えなくてもファサードのみを造り変えるケースも多く、特に賃貸店舗や居抜きで建物を利用するときなどは、前の店舗のイメージを払しょくするためにファサードだけは変更することが一般的です。
店舗のコンセプトを一番端的に表現する部分となるため、集客したいターゲットと店舗のコンセプトをどのように表現するかが重要なポイントです。ファミリー向けの外観にしているのに扱う商品が高級装飾品であったり、逆に高級感を感じさせる外観でありながら激安商品を扱っていては集客を見込むことはできません。ファサードは利用客にとってもステイタスのひとつとなることが特徴なので、出入り口やショーケース、全体の色合いや照明といったひとつひとつの要素にオリジナリティを持たせることが大切です。
店舗の売り上げを伸ばすためには常連客を獲得するのはもちろんですが、まずは通りすがりの人に興味を持ってもらい「入ってみよう」と思わせることが常連になるきっかけとなります。そのためには、店舗の外観や雰囲気だけで何を扱っているかを分かってもらえるようなファサードにすることが大切です。
小売店の場合はショーケースに商品を展示したり、飲食店の場合はメニューの一部やおすすめをボードなどに書いて設置しておくと、店のおおまかな価格帯やジャンルなども分かるので、どのような店か伝わりやすくなります。次に大切なことは外からも店内が見えるようにすることです。いわゆる「入りにくい店」に共通することは内部の雰囲気が分からないことが多く、一般的に店内の様子が分かるかどうかは、人の判断に大きな影響を与えます。明るく開放的で何を扱っているのか、をファサードで明確にすることが店舗成功への大きなポイントです。