「重飲食」は焼肉店・ステーキ店・焼鳥屋といった臭い・煙の強い業態のことを指し、他にもラーメン店・カレー屋・中華料理店などが含まれます。
ただし、この区別については明確な定義があるわけではなく、貸主が最終的な判断を行なうので、臭い・煙以外にも照明の明るさや騒音の程度によっては該当する場合があります。特に、近隣住居とのトラブルが想定される場合は重飲食と判断されやすいので注意が必要です。
対して、「軽飲食」は主にカフェや喫茶店等を指す事が多く、調理頻度の少なさや臭い・煙の出にくさが基準となっています。ただし、こちらについても明確な定義はないので、弁当屋やファストフード店など軽飲食と思われがちな業種でも、揚げ物を主として排水が汚れたり臭いが強い場合は重飲食とみなされる場合もあります。
店舗物件の詳細に「飲食店可、ただし重飲食店は不可」と書かれている場合、電気容量が少なく大型の機器を入れる事が出来ない、給排水・空調などの設備規模を拡大する為の工事が出来ない、といった建物自体の問題もありますが、多くの場合は貸主側が近隣住民・他テナントからの苦情を避ける為、火気が多い事で火事が起こりやすくなるのを避ける為と言った理由が多いようです。
また配管・壁がニオイ煙油などで傷みやすいからという理由でNGとしている場合もあります。そこでもしも良い条件の貸店舗が見つかり、飲食可・重飲食不可といった物件だった場合ニオイや煙を出さない独自の設備を設ける事で、貸主に納得してもらい無事に契約出来たケースもあるようです。例えば、ダクトにはアクアフィルターやグリスフィルタを設置したり、排水にはグリストラップを設けるなどしてニオイや煙、排水の汚れを極力抑えるといった方法です。