管理組合とは、区分所有法の規定にもとづき、マンションや団地などの不動産物件を区分所有している人々によって構成される団体のことをいいます。マンションなどの建物は、1棟のなかに複数の独立した部屋が設けられており、それぞれの部屋を専有部分として購入した所有者が存在しています。しかし廊下や階段、エレベーターなどの施設や設備はこれらの所有者の共有となっていますので、利用に当たっての一定のルールを定めたり、大規模修繕工事その他のメンテナンスをしながら将来にわたって適切に管理する必要があります。
このようなニーズを充足するために法律上の仕組みとして設けられたのが管理組合の制度であり、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができるものとされています。この管理組合は区分所有者および議決権のそれぞれ4分の3以上の多数によって決議があったときには、事務所や名称を定めて管轄する法務局に登記し、法人になることも可能です。
都心に立地しているビルの場合には、居抜きの形態も含めて、建物の1階などの低層部分を店舗として賃貸できるようにしたものが見られます。特に駅前の再開発事業などでごく最近に誕生したビルでは純粋にオフィスや店舗としての利用だけに特化した物件はむしろ少なく、上層階のほとんどを分譲マンションとすることによって、定住人口の増加と事業採算性の向上を図っているものが多数を占めています。このようなケースでは、店舗の営業がマンションの定住民の生活の支障にならないようにするため、管理組合においてさまざまな規約を定め、厳格に運用していることがあります。
たとえば飲食などの営業時間を夜間や早朝に禁止する条項があったり、共有部分の空きスペースの使用が制限されていたりするのはその一例です。店舗の運営には仕入れた商品の搬入や仮置きなどでスペースが必要な場合が多くありますが、管理組合によって使用しないように指導を受けることも稀ではありません。